さて、何故このように面倒なプロセスを経て暗号化を行っているのでしょうか?
公開鍵暗号を最大限有効に活用するためには、通信主体双方において相手の公開鍵による暗号化を行う必要があります。公開鍵が誰でも取得できる構造上、
秘密鍵での暗号化は事実上無意味であり、つまるところクライアント側の公開鍵が存在しない限り、
サーバからの通信を暗号化する手段が無い訳です。

そこで、共通鍵による暗号化が利用される事になります。
クライアントはサーバとの暗号化通信に使用する共通鍵(実際には共通鍵の元データ)を作成した後、サーバの公開鍵によって暗号化を行いサーバ側に戻します。こうする事で共通鍵を利用できるのはクライアントと秘密鍵の持ち主であるサーバだけとなります。また、この共通鍵の元データはSSLのセッション単位で生成・破棄される為、外部から偽装される可能性もまずありません。
更に公開鍵暗号は暗号・復号化の演算量は共通鍵暗号の比ではありません。この演算量の差はサーバ負荷へ関係しますので、アクセス数に比例して増大する負荷は侮れません。
以上の事から、SSLは公開鍵・共通鍵暗号の長所を組み合わせた、非常に安全で且つ効率的な暗号化通信を可能にする技術となっています。